文字通りのアメリカンドリームを掴んだ29歳
『ロッキー』 - (C) 1976 METRO-GOLDWYN-MAYER STUDIOS INC.. All Rights Reserved
出産時の手術ミスにより、顔面麻痺に伴う言語障害に苦しんだスタローン。治安の悪い地域に生まれ、恵まれない家庭環境も相まって悲惨な幼少期を過ごしますが、演劇に目覚め、23歳から俳優を目指すこととなります。主演デビュー作は成人向け映画でした。
生来のハンディの影響もあり、実に54回ものオーディションに落選。そんなある日、観戦したボクシングの試合に感銘を受けたスタローン。たった3日間で1本の脚本を書き上げ、それを持参し映画会社へ売り込みに向かいます。自分が主演するという条件を頑として譲らず、満を持して完成したのがご存じ『ロッキー』。評判が評判を呼んで大ヒットし、なんとアカデミー作品賞を受賞。
これは運でも何でもなく、まさに自分の手でつかみとった成功ですね。文字通りのアメリカンドリームを体現した男です。ご存じの通り『ロッキー』シリーズはスピンオフ作品も含め、継続して製作中です。
名だたる名優が全員断ったオファー:ランボー役に挑んだ36歳
シルベスター・スタローン-(C)Getty Images
華々しくスターダムにのし上がったものの、『ロッキー』シリーズ以外全くヒット作に恵まれず、一発屋扱いされ始めたスタローン。「ギャラは安くてもいいから主演させてくれ!」と懇願したほど夢中になった企画が『ランボー』。めでたく主演を射止め、そして大ヒット。
Part3まで製作されましたが、人間味と哀愁溢れるジョン・ランボーといえば、やはり一作目。
戦時中は英雄だったベトナム帰還兵が、帰国後に酷い仕打ちを受け、たったひとりで警察や軍隊に戦いを挑む、というヘビーなテーマの影響か、クリント・イーストウッド、アル・パチーノ、ダスティン・ホフマン、ジョン・トラボルタに断られ、唯一乗り気だったスティーブ・マックイーンは病気のため降板してしまったという、まさにいわくつきの企画でした。
そうそうたる顔ぶれですが、今となればスタローン以外考えられませんよね!
もう体が動かない!アクション映画引退を表明した50歳
その後も『ロック・アップ』『クリフハンガー』など、主にアクション作品で大ヒットを飛ばし続けたスタローンにも転機がやってきてしまいました。
1996年の『デイライト』を最後に、アクション映画から引退すると公式に表明。
年齢を理由にしていましたが、実はちょうどこの年に長女が生まれています。既に息子は2人いましたが、長女が生まれたことを機に、もう暴力的な映画は撮りたくないと周囲に漏らしていたとか。年齢説よりもこちらのほうが信憑性が高そうですね…。
シリーズ史上最も過激なジョン・ランボー復活!還暦超えた62歳
シルベスター・スタローン-(C)Getty Images
有言実行。バイオレンス描写のある作品から遠ざかっていたスタローンですが、あれから十数年。のちに生まれた娘も全員物心ついたのでしょうか。遂に『ランボー』シリーズ最新作が製作されました。その名も『ランボー/最後の戦場』。原題はズバリ『John Rambo』です。
御年62歳。還暦を過ぎたスタローンが戻ってきました!シリーズ史上最高に過激な、まるで第二作の『ランボー/怒りの脱出』を極限まで過激に、かつリアルに描き直したアグレッシブな最新作となっています。
『ランボー 最後の戦場』 -(C) 2007 EQUITY PICTURES MEDIENFONDS GMBH & CO.KG IV
やはり最新作が群を抜いて過激!
約20年振りの新作ですが、本当はこれを長年撮りたかったのでしょう。
ボリウッド版ランボー爆誕!まだやれるのか?71歳
『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』/(C) EX3 Productions, Inc. All Rights Reserved.
その後は寄る年波に逆行し、黄金期に戻ったかのようにアクション映画を精力的に撮っているスタローン。
中でも『エクスペンダブルズ』シリーズは、かつてのアクション俳優のライバルを総動員したド派手なアクション。彼の新たな代表作となりつつあります。
シルベスター・スタローン -(C) Getty Images
そんな矢先、インド映画界ボリウッドから、なんと『ランボー』のリメイク製作が発表されました。主演は全盛期のスタローンの生き写しと言ってもいいインド映画界のホープ、タイガー・シュロフ。彼にとってもスタローンは憧れの存在だったようで、リメイク版ランボーへの意気込みを熱く語っていました。
タイガー・シュロフ-(C)Getty Images
「ボリウッド版ランボーには関与しないが応援しているよ!」というスタローンの声明が公式にリリースされています。
世代交代のようで少し寂しい気持ちを抱かざるを得ませんね。
スターの地位を苦労して勝ち取ったスタローンは、かつての自分の姿をそこに見たのかもしれません。
スタローンも71歳。すっかり美しく成長した娘たちに囲まれて幸せそうな表情を浮かべています。
新たなランボー=タイガー・シュロフの容貌と意気込みを見る限り、ランボーは若い奴に任せても大丈夫そうです。
とは言え、まだまだスタローンには暴れ回ってほしいというのが本音!いぶし銀の魅力でこれからも頼むぜ、スタローン!