ゾンビ映画の父、死去
ゾンビ映画の父と呼ばれたジョージ・A・ロメロ監督が、7月16日に肺がんのため77歳で亡くなりました。彼の残した作品、そして現在のゾンビ作品に与えた影響などを振り返ってみましょう。
ジョージ・A・ロメロについて
ジョージ・A・ロメロは1940年2月にニューヨークにて生まれました。子供の頃から映画好きで、大学卒業後に友人と映像製作会社を立ち上げます。主にCMなどを手がけていましたが、映画製作を諦めきれなかったロメロは、有志らと資金を出し合い『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』を完成させます。
それ以降『ゾンビ』『死霊のえじき』などのヒットで知名度を上げたロメロは、ゾンビ映画の巨匠と呼ばれるようになります。ゾンビの特徴や弱点、対処法などはロメロの映画から生まれたものであり、今も多くのゾンビ作品に受け継がれています。
ロメロ監督の三部作を一挙紹介!
数多くのゾンビ映画をこの世に送り出したロメロ監督。中でも有名なのは、ロメロ監督の三部作と言われる『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』『ゾンビ』『死霊のえじき』です。今回はこの3作品を紹介していきます。
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』
父の墓参りの帰り、ゾンビに襲われ兄を殺されてしまい、近くの民家に逃げ込んだバーバラ。やがてそこには黒人男性、カップル、中年夫婦と大怪我をした娘などが続々と集まってくる。外部との連絡も取れない中、脱出するか立てこもるかで意見が分かれる。果たして彼らの運命は…!?
記念すべきロメロ監督の初作品です。自費と友人たちからの援助で製作された作品のためかなりの低予算で作られました。当時は(今でも?)タブーとされていたカニバリズムやモラルに反するような結末を取り入れた、まさに映画史を塗り替えた作品でもあります。リメイクも多数製作され、今でも愛されるゾンビ映画の代表作です。
『ゾンビ』
テレビ局に勤めるフランと恋人のスティーブン、彼の友人でSWAT隊員のロジャーとその友人ピーターは、増え続ける「ゾンビ」から逃れるため、ヘリコプターで都市部を離れることを決意する。食料が豊富なショッピング・モールに籠城することを決めた4人だが、そこにもゾンビが潜んでおり…。
ゾンビのことを「ゾンビ」と呼ぶようになったのは、この作品がきっかけです。大ヒットしたことにより、ロメロ監督は一躍脚光を浴びることとなります。
『死霊のえじき』
ゾンビが地上に蔓延し、死者と生者の数が逆転してしまった世界。フロリダ州郊外の地下基地には、ゾンビの研究を行い打開策を見つける科学者チーム、施設の警備と科学者の支援を行う軍人チーム、そしてヘリコプターパイロットのジョンなど、生き残った人間たちが暮らしていた。一向に成果を出せない科学者たちに苛立ちを覚えるローズ大尉。そこで科学者のローズ博士は、捕らえたゾンビを飼いならすことを提案するが…。
ロメロ監督三部作の3作目になります。前作『ゾンビ』に参加したスタッフやキャストの何人かは、今作でも引き続き製作に携わっています。資金調達が難航したため大幅な内容変更を余儀なくされてしまいました。少し残念ですね。
ロメロ監督が後世に与えた影響
『バイオハザードIV アフターライフ』 (C) 2010 Constantin Film International GmbH and Davis Films/Impact Pictures Inc. All Rights Reserved.
ロメロ監督の三部作によって決定づけられた「ゾンビ」のイメージは、今なお多くのゾンビ作品に受け継がれています。頭を破壊しないと何度でも蘇る、噛まれた人間はゾンビになる、などなど…。人気作品『バイオハザード』シリーズや「ウォーキング・デッド」シリーズにも反映されており、いかにロメロ監督の作品が影響を与えているか、うかがい知れますね。
まとめ
7月にこの世を去ったゾンビ映画の巨匠、ジョージ・A・ロメロ監督。彼が残した「ゾンビ」という存在は多くの作品に登場し、人々の心に恐怖を与えています。彼の功績は映画史に残る偉大なものとして、永遠に伝えられることでしょう。ご冥福をお祈りいたします。